シャープ、鴻海再建案の受入れ濃厚、エネルギー事業は自社で舵取りか
シャープ(髙橋興三社長)は2月4日に開催した決算発表会で、「産業革新機構に比して、機構鴻海精密工業(以下、鴻海)側に人材などのリソースをかけている」(髙橋社長)と明かした。液晶をはじめとする各事業でシナジーを発揮できることから、支援受入れ先として鴻海濃厚の状況が見えてきた。
ただエネルギー事業に関しては鴻海がノウハウや人材を有しておらず、鴻海側に事業継続のメリットが少ない。この状況下、髙橋社長は「各事業について、シャープのDNAを残し、今の一体性を保ちながら継続していきたい。この意向に対し両社(鴻海・産業革新機構)とも理解を得ている」と明言した。
同社広報部も「エネルギーソリューション事業は赤字であり厳しい状況だが、再建案では基本的に継続する方向で進めている。特にエネルギー事業はEPCやメンテなど長期的ビジネスであり、安易に撤退することは考えられない」と示した。加えて「会見で発表した通り、両社の案を公正に審査し、各事業のスキームも含めて1ヶ月を目処に最終決定する予定。鴻海案についてのみ述べると、エネルギー事業で鴻海社が当社のブランドを抱えることは考えにくい」ことから、シャープの自主性をもって、これまで通り継続する可能性が高そうだ。
鴻海濃厚の中、一部報道にあがった産業革新機構の対抗策の提示を断念する旨について、産業革新機構担当者は「支援金の積み増し等の内容について、当社から正式な発表はしていない」としている。